第7章 再会
『あ…あの時はすみませんでした…』
「ううん、全然大丈夫だし、むしろウェルカム!」
『なんで私だと分かったのでしょうか?』
「俺一度見た可愛い子の顔、忘れないから」
「キモイな」
「岩ちゃんひどい!」
嘘でしょ、この人本当にあの日に会場でぶつかった人なの…?顔とか全く覚えてないけど、確かに背は高かったような気がしないでもないような…?
…ってか、グラさんってなんだ!?不審者であることは否定出来ないけど、そんな変なあだ名を付けられていた挙句、七不思議化されていただなんて全く知らなかった。
「最初の頃はさ、俺のことを応援してくれてると思ってたんだ」
『………』
「でも…」
オイカワさんが目線をやった先は、多分飛雄。そうしてまた私に目線を戻したオイカワさんは、ニヤッと綺麗に口角を上げた。
飛雄を見に行ってたこと、バレてる!?
私は咄嗟に目線を下げた。
するとそれに気が付いたオイカワさんは、その長い人差し指で私の顎を持ち上げて目線を戻させた。そして、小さく舌なめずりをする。
「覚悟しておきなよ」
『………』
「…今日からは俺のことしか見えなくさせてあげるからさ」
スッとコートの中へ入っていくオイカワさん。
私が呆然としている間に、メンバーチェンジとなった国見くんが帰ってきたので、立ち上がりドリンクとタオルを素早く渡した。