第7章 再会
国見 side
「なあなあ影山!なんか鈴木さんがグラさんって呼ばれてる!」
「グラ、さん…?」
「はっ!?お前、グラさん覚えてねーの!?俺らの試合観に来てたサングラスの女子いたじゃん!」
金田一がネットを掴み向こう側の影山に話しかけた。
「なんか話してるのを聞いた覚えはあるけど、試合中は集中してたから観客席とか見た記憶ねぇな」
「はぁっ!?俺らだって集中してたっつーの!」
「やめときなよ金田一、こいつはそういうヤツなんだから」
そう言って影山を見ると、フッと目を逸らした。
…こいつ本当に気付いてなかったのかよ?
「にしてもさぁ、大王様近い!おれたちの鈴木さんなのに!」
「元は俺たちの鈴木だったんだけどね」
「なっ…!今はおれたちのだ!!」
「俺、鈴木と3年間同じクラスだったし」
「さ、3年間…すげえっ!」
「試合、毎回観にきてたのにさ…本当に気付かないなんてことあるんだ。さすが王様は薄情だよね」
「………チッ」
影山は舌打ちをした。
「なんかお前、うちの月島みたいなヤツだな」
「月島?」
「こいつ」
「チョット僕のことそういう風に使うのやめてよね」
「なんかお前ら性格似てる気がする、チクチク言葉ばっかりなとこと…あと、鈴木さんとクラスが一緒なとこも!」
「…へえ、そうなんだ」
「アッはい、一応隣の席です、毎日鈴木の横顔見れてなんかすみません」
「……べつに」
「ほら月島くん、そういうとこ!!」
「うるさいよ」
俺、たぶんこの月島ってヤツ苦手なタイプだ。