第7章 再会
25-22
第2セットは烏野が取り返して、いよいよ最後のセット。
キャーーーーッ!!!!
『!?』
突然の悲鳴に私はびっくりしてパイプ椅子の下に頭を突っ込んだ。
「あららっ、1セット取られちゃったんですか!」
「おお!戻ったのか、足はどうだった!」
「バッチリです!もう通常の練習いけます!軽い捻挫でしたしね」
「まったく、気をつけろよ…及川」
「すみませ〜ん」
オイカワ…?なんか聞いたことある。
誰だっけ。
私は椅子の下に潜り込んだまま、聞いていた。
「向こうには“影山出せ”なんて偉そうに言っておいて、こっちは正セッターじゃないなんて頭上がらんだろうが!」
「あはは…」
キャーーーーッ!!
及川さん無理しないでくださ〜い!
オイカワさん…あ、この呼び方すごく聞き覚えある。なんだっけ、なんだっけ…出てこない。
「やっほートビオちゃん久しぶり〜育ったね〜!元気に“王様”やってる〜?」
トビオチャン、とびおちゃん……飛雄ちゃん!?飛雄のやつ、裏ではそんなに可愛い呼ばれ方してたの!?そして、また王様。これどこに行っても呼ばれてる気がするけど、さすがに飛雄キングダムの知名度高すぎない…?
「とにかく!お前はアップとってこい!いつもより入念にだぞ!」
「はァ〜い」
間の抜けた返事をしたオイカワさんは、タッタッタッと別コートへ走っていった。