第7章 再会
25-13
第1セットが終わり、コートチェンジして今度は目の前に烏野メンバーがきた。
飛雄の試合、こんなに近くで見るの小学生ぶりだ。
「鈴木さんは本来烏野なんだから、声を掛けてあげてもいいんだよ」
『えっ…あ、はい!』
私は立ち上がった。
『烏野、がんばれーっ!』
みんなこちらを振り返った。
そしてそれぞれ「おう!」と返してくれた。
ツッキーだけ鼻で笑っただけだったけど。
「見て鈴木さん、うちのヤツら羨ましそうな顔してる」
「うちは女子マネ取ってないからな」
『…青城も、がんばれー!』
すると、ウォーースと烏野よりも大きな返事が返ってきた。
「ちょっとキミ、敵の士気上げるとか何事?」
『ごめんツッキー』
「鈴木さんが山口化してる…」
第2セットの途中
『ん〜?』
「どうかした?」
『国見くんは体力温存型なんですかね』
「そう見えるかい?」
『ガムシャラさは感じられないのですが、やる気がないようにも見えなくて…あの第1セットの6回目の攻撃で国見くんは5番さんのレシーブフォローも反応が早かったですし…なんだか、内に秘めてるものが熱そうです』
「ははは!それ言ってやったら喜ぶんじゃないかな、あいつ」
「あとは?」
「…監督?」
「何か試合を見て思うことはあるかい?」
『あっ、そうですね…なんか違和感というか』
「違和感?」
『失礼を承知で申し上げると…青葉城西、得点もしっかり決まっていてミスも少ないのに、どこか物足りない感じがします…それとなんだか1番さんがスパイクの時に少し打ちづらそうに顔顰めてるようにも見えて。セッターがトスを模索中とか?』
「ほほー…、やはり良い目をしてる」
『目、ですか?』
「…もう少ししたらその違和感の正体がわかるよ」