第7章 再会
影山 side
「…なにあいつ、知り合い?」
『あ、うん』
「変なのに好かれてんじゃない?気をつけなよ」
『やだなツッキー、国見くんに限ってそういうのないから…大丈夫。でもありがとう』
「…別に」
そういうのない、とは?
こいつは、自分の知らない人からの好意には敏感なくせに、身近な人間の好意にはてんで疎い。ほんの少しだけ国見に同情した。
俺たちはアップを行って、練習試合に向けて最後の調整をした。なんか日向がやばそうだが、まあなんとかなんだろ…。
ピー
審判が笛を吹いた。
俺たちは集合して先生の話を聞いていた。すると、向こうの監督が先生に声を掛けた。
「ちょっとすみませんね」
「あ、はい!なんでしょうか」
「練習試合に出ないメンバーは別のコートで練習をさせてましてね、もしそちらにマネージャーが2人いるようであれば1人こちらに来てもらえたらと」
「あっ…あああ、えと」
清水先輩か美里か、ってことか。
「先生、鈴木さんは入部希望では」
『清水先輩、私行きます』
「えっ?」
『お水とか、タオルとかですよね?』
「うん、そうなんだけど…初めてでしょ?大丈夫?」
『はい、なんとかしてみせます』
そう言って美里はぺこりと頭を下げて青城ベンチへ走っていった。
「すっげー!可愛い顔して度胸あんな、あの子」
「そうだな」
あいつは初めてのことに対して物怖じしない度胸がある。
「お前、ああいうの見習えよ」
「ひぃいい!が、がががが、がんば…」
「影山、あんま日向をいじめてやるなって」