第7章 再会
影山 side
美里に話しかけているはずの国見の目は、ずっと俺だけを睨みつけていた。まるで威嚇でもするかのように。
こんな目をあいつから感じるようになったのは今日に始まった話ではなかった。
あれは中学2年の冬頃、部活が始まる前の時間。各自アップを取ったり自主練をする中、突然国見から話しかけられた。
──「鈴木美里ってわかる?」
大人数でいる時に話を振られるならまだしも、2人の時にそんなことを急に聞かれたので内心驚いた。答えは決まったもので、もちろん「知らない」だが、それから部活で美里の名前が出る度に俺の反応を伺うかのように国見はこちらを見ていた。
何がきっかけだったのかはわからない。その手がかりが俺だったのか美里だったのかすらわからない。
でも少なくとも国見には、俺と美里の間に“ただの同級生”以上の何かがあることが見えていたということだ。
元々俺はバレー部のメンバーと仲良くやれているとも思っていなかったし、最後の方はそれなりに嫌われている自覚もあった。でもそれはあくまでもバレー絡みでの話だ。
ただ国見の目には、バレーに関してだけではない、違う意味合いも含まれていることに俺はなんとなく気が付いていた。