第7章 再会
私たちは今日の試合場所となる第3体育館へと歩き出した。
どうしよう…結局国見くんにどう伝えるかも考えずにここまで来てしまった。
「どしたの?鈴木も具合悪い?」
『ううん!…体調は良い』
「…体調は?」
「マジっすか!?」
「そーなのよ!ちょっとエロい感じでさ!」
先頭を歩いていた田中さんが歩みを止めたと思ったら、角の向こうから声が聞こえてきた。
「あ、あとガラの悪いヤツいたな〜!坊主で目つき悪くてさ〜!アッタマ悪そうな顔した……」
田中さんが角からヌッと顔を出すと向こうの方から、驚いた声がした。
「あっ…えーっと、」
「…烏野をあんまナメてっと…」
「「!」」
「食い散らかすぞ」
あたりでカラスの鳴き声やバサバサという羽音がして、田中さんの迫力を割り増した。
「そんな威嚇しちゃダメですよ、田中さ〜ん」
ツッキーはニヤニヤと人をからかうときにする悪い顔をして口を開いた。
「ほらぁ、“エリートの方々”がびっくりしちゃって可哀想じゃないですかあ」
「おうそうだな、イジめんのは試合中だけにしてやんねーとな」
ほんと、ツッキーはイイ性格してるなと思う。
「………」
ちらりと飛雄の顔を見上げると、どこか一点を見つめていた。部長さんが頭を下げて、私たちがその2人とすれ違おうとすると後ろから声がする
「………久しぶりじゃねーの、王様」
「……」