第2章 白鳥沢受けることにした
ホームルーム終わりの教室には、進路面談や受験勉強などで残っている生徒が多くいた。夏の大会を終えたこの時期は3年生が既に引退している部活がほとんどのようだった。
「鈴木は志望校決めたの?」
『私はもうちょっと、かな』
「鈴木なら行きたいとこどこでも行けるじゃん」
『そんなことないよ、国見くんは決めた?』
「うちのバレー部って大体青葉城西行くんだよね。だから俺もそこ。金田一わかるっけ?あいつも同じ」
『ああ、あの大きい人!』
「ちょっと、俺もわりと大きい方なんですけど」
国見くんとは3年間同じクラスで、同じアーティストが好きだと判明した2年の初め頃から仲良くなった。
『じゃあ、バレー部は皆同じとこ行くの?』
「いや、全員ではない」
『へえ』
「王様は青城の推薦蹴ったってさ」
『王様?誰のこと?』
「あれだよ……影山飛雄」