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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第6章 なんでこうなった?


月島 side

「影山、月島、山口、着替えてこい」

「「「はい」」」

部室に向かって歩き出しつつ、清水先輩に手を掴まれたままの鈴木に目を向ける。僕らはなんにも説明しなかったから鈴木はただひたすらに困惑していた。まぁ、あとは清水先輩に任せればいいか。



「………」


え?王様、めっちゃ鈴木のこと見てるじゃん。



「どうしたの、王様。鈴木のことが気になる?」

「…いや、」

そう短く返すと影山はフイッと目線を進行方向に戻した。いつもみたいに勢いよく否定されるものだと思っていたのに変な感じ。


部室に入って着替えを済ませると、影山が口を開いた。


「なあ、月島と山口が誘ったのか?」

「えっ?鈴木のこと?」

「ああ」

「放課後友達と遊ぶ約束をしてたのに急遽予定が無くなっちゃったみたいでさ、ツッキーが誘ったんだよね」

「うん」

「今日の練習試合、来るのか?」

「知らない。詳細は何も伝えてないから」

「は?」

影山の動きがピタリと止まる。

「ツッキー説明しないほうが面白いからって、手伝ってほしいことがあるってだけ伝えて半ば強引に連れてきたんだよね」

「山口うるさい」

「ごめん、ツッキー」

「でもたぶん鈴木は一緒に行くと思うよ。頼まれたら断れないタイプって言ってたし」


「…今日、どこと試合なのかも知らねえのかよ?」

「鈴木が?知るわけないデショ、ってかそもそも言ったってわからないよ。…それより王様、気にならないなんて言ってたくせに随分興味津々じゃん?」


「………っ…」


王様は雑に荷物をまとめると、ドアを開けて先に出ていった。



「なにあれ」

「…どうしちゃったんだろうね」


少し遅れて僕らがドアを開けると、そこには影山と鈴木が向かい合って立っていた。

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