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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第6章 なんでこうなった?


今日は火曜日。

なんと放課後はプップちゃんと制服のまま遊びに行くことになっていた。実は、私が白鳥沢学園を辞退して烏野へ入学したこと、なんとなく他のみんなには言えずに卒業してしまった。

合格発表の日に渡された入学書類を進路担当に渡しに行ったとき、その封筒を持つ私を見たとほかのクラスの人が早まって広めてしまったのだ。本当はその日のうちに進路担当とは話がついて、辞退の手続きまでが完了していたのに…進路担当は最後口元を抑えてトイレへ駆け込んでいたけど。

国見くんには話そうと思っていたけど、たくさん応援してもらった手前、最後まで言い出すことができなかった。
それもあって、私にとって制服で会える友達は貴重な存在だった。



『ふんふんふ〜ん』

「どしたの?今日ご機嫌じゃん」

『今日ね、放課後に友達と遊びに行くんだ!卒業式ぶりに会う子なの』

「ふーん、よかったね」

『放課後まで待ち遠しいよ〜!』




そして、ついに放課後。
長引いたホームルームもなんのその。ルンルン気分で荷物をまとめているとポケットでスマホが震えた。プップちゃんかな?取り出しLINEを開くと、


『…えっ!?そんなぁ!!』


〈ピッピちゃんごめん、うちの犬が調子崩したみたいでお母さんがこれから夜勤だから私が病院連れていくことになっちゃった…。遊ぶのまた今度でもいいかな?ほんとごめんね〉


「鈴木?どうしたの、なにかあった?」

『聞いてよ山口くん、プップちゃんちのポッポが体調崩して病院行くんだって…』

「プップちゃんちのポッポ…?」

『ずっと楽しみにしてたけど…しょうがないよなぁ……はあ』

私はもう一度席に座って机にべしゃっと伸びる。


「…ってことは鈴木、今日暇なの?」

『ツッキーの意地悪…たった今暇になった瞬間見てたくせに』

「そしたらさ、ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど」

『んー…、私に出来ることならいいけど…』

「あ、そう?じゃあ着いてきてよ」

「え、ツッキー説明…」
「大丈夫、その方が面白そうじゃん」

『なにコソコソ』

「いや?あ、一応ジャージ持って」

『ジャージ?…よーし、ここまできたらグラウンドの草むしりでも体育倉庫の掃除でもなんでもやってやろうじゃないの…っ!』


私たちは揃って今日教室を出た。

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