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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第25章 あの日


トイレから出て席を見ると、そこに潔子先輩の姿はなかった。

入れ違った?そんなことを考えながら席に戻り、とりあえず飛雄の隣に座った。


『潔子先輩もお手洗い?』

「………」

『影山くん?』

「先輩、先帰った」

『えっ!?私、まだお礼も挨拶もしてなかったのに…!』

「会計、お前の分も払ってったぞ」

『そ、そんな…どうしよう!』

「…鈴木さんのだけでも出すって言ったけど、断られた」

『そうだったんだ…影山くんありがとね』

「もう行くだろ?」

『喉乾いたでしょ?何か飲まなくて平気?』

「お前の残りのと水もらった」

『あ…ごめんね、飲みかけで』

「別に」


私が帰る支度をしていると、隣から飛雄の視線を感じた。


『…ん?どうかした?』

「……いや、なんも」

「そう?じゃあ行こっか」

「ん」



私たちは同時に席を立った。
念の為、店員さんに声を掛けたがやはり潔子先輩が私の分も支払ってくれていたようだった。私はその場ですぐに、お礼のLINEをした。


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