第25章 あの日
影山 side
時間になりカフェの前に立っていた俺は、外の暑さに耐えきれず中に入ることにした。店のドアを開けると、ドアについた何かが音を立ててやかましく響いた。
やってきた店員に、俺は2人のいる席を指さした。歩いて席まで行くと、美里は驚いた顔で俺を見ていた。軽く手をあげた清水先輩に頭を下げる。
「影山、時間ピッタリだね」
「…ッス」
『ぴ、ぴったりって…えっ?』
「心配するかなと思って、解散の時間を先に伝えておいたの」
『そうだったんですか!?…影山くん、試合で疲れてるのにごめんね、ありがとう』
暑かったよね、そう言って差し出されたハンカチを受け取って汗を拭っていると、美里は『お手洗いにいってきます』と立ち上がり店の奥の方へ歩いていった。