第24章 春高一次予選開始!
影山 side
『……っ』
ふいに美里を見ると、その目は何故かひどく怯えていた。この美里の感じ、覚えがある。…あれはいつのことだ?たしかすげえ昔、俺たちがまだ小学生の頃の…。
「…アップに参加してた烏野のマネージャーって、やっぱり美里だったんだ」
『!』
「まさかとは思ったんだけど…ねぇこれ何の冗談?」
こいつ、笑顔なのに美里を見る目が鋭い。ビクリと肩を震わせた美里は色が変わるほどにギュッと拳を握りしめていた。
「美里ちゃん、知り合い?」
『あ…あの…』
「え、美里ってばひどーい!なんですぐに答えてくれないの?私たち…友達でしょ?」
『……ッ、』
「はぁ…にしてもほんと信じらんない。2人が北一に行ったのは知ってたけど、あんたまだ飛雄に付き纏ってたんだ?高校まで同じにするとか、もはやストーカーじゃん。小学生の頃から全く成長してないね」
『ひ…ひばりちゃんは、背が高くなったね』
“ひばり”
その名を聞いてピンときた。
やっぱりそうか、こいつ小学校の同級生だ。
「そりゃそうでしょ、背の高い飛雄と釣り合うように今まで努力してきたんだから」
『あれから…ずっと?』
「そうだよ、中学で私もバレーを始めたし、大会では飛雄の試合もたくさん観てきたよ」
『…そっか、2人お似合いだと思うよ』
「!」
頭をガツン、と殴られたようだった。
お前にだけはそんなことを言われたくない。そんな思いで美里を睨みつけるも、美里は俯いたまま顔を上げなかった。