第24章 春高一次予選開始!
影山 side
「?」
……飛雄?
反射的に振り返ったが、呼ばれた声に聞き覚えがなさすぎて自分の名前だと気付くまでに時間がかかった。
息を荒げて立っていたのは、やっぱり見覚えのない女子だった。背は杵島さんと同じくらい、着ているジャージからしてどこかの女バレであることが分かった。
「とびお、だって」
「影山、知り合い?」
「……いや」
今俺のことを名前で呼ぶのは、同年代では美里だけのはず。マジで誰だ、この人?混乱する俺をよそに、目の前の女子は一直線に近寄ってきた。
「試合観てたよ、超格好良かった!やっぱり飛雄はすごいね!」
「…誰?」
「まさか、影山の彼女!?」
「か、彼女!?」
するとその女子は、クスッと笑って
「飛雄の彼女です、未来の」
と言った。
「…は?」
何言ってんだ、こいつ。