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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第5章 第二体育館の烏たち


月島 side

「おれたち、だろ!」

小さいのがなんか言ってるけど、今の相手はお前じゃない。


「ハハッ、すごい自信!さすが“王様”!」

「おい、その呼び方」
「おおっ、本当だ!」

「あ゛?」

「“コート上の王様”って呼ばれるとキレるって噂」

そのワードを出した瞬間、人でも殺すんじゃないかというオーラが王様の周りに見えた。

「いいじゃん“王様”カッコイイじゃん!すごくピッタリだと思うよ“王様”!」

「………なんなんだ、てめェ…」


「…県予選の決勝見たよ」

「──っ!」

「あ〜んな自己チューなトスよく他の連中我慢してたよね、僕ならムリ……ああ!我慢できなかったからああなったのか」

僕がそこまで煽ると、王様は見事に僕の胸ぐらを掴んだ。大体のやつに胸ぐら掴まれたって僕のほうが上から見下ろすことになるし、なんともない。

ただこの問題児が、もう少しだけ問題起こしたら面白いかな、って思っただけ。

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