第5章 第二体育館の烏たち
月島 side
「へーっ、ホントに外でやってる!」
「ムッ?」
「キミらが初日から問題起こしたっていう1年?」
「ゲッ、Tシャツ!?寒っ」
なんでこんな小さいのがバレーやろうなんて思うんだろ。身長が命のスポーツをわざわざ選ぶなんて頭おかしいんじゃないの?
「か、返せよっ」
「小学生は帰宅の時間じゃないの」
「〜っ!誰なんだおま」
「入部予定の“他の1年”…か?」
…本物だ。
「おい、おれが話し」
「お前身長は?」
「おいっ!」
「ツッキーは188センチあるんだぜ!もうすぐ190センチだ!」
「ひゃくきゅっ…」
「なんでお前が自慢すんの山口」
「あっごめんツッキー!」
「…アンタは北川第一の影山だろ。そんなエリート、なんで烏野にいんのさ」
「…あ?」
「お、おい!明日は絶対!負けないからな!」
「…あ、そう。キミらには重要な試合なのか知らないけど、こっちにとっては別にって感じなんだよね。勝敗に拘りないし、キミらが勝たないと困るなら…手、抜いてあげようか?」
「なんだーっ!?!」
「…てめえが手ェ抜こうが全力出そうが、俺が勝つのに変わりねぇんだよ」
あ、いいね。
まんまと挑発に乗っちゃってさ。