第24章 春高一次予選開始!
セットカウント
2-0
勝者:烏野高校
『初戦』
「突破だね…!」
私は仁花ちゃんとパチンとハイタッチをして、目の前に整列したみんなに大きな拍手を送った。
試合が進むにつれてどんどん調子を上げていった烏野。きっとこのまま波に乗れるはず。
私たちは、下の階に降りてみんなと合流した。
『初戦突破おめでとうございます!』
「おう!」
『これの次勝った方と当たるんですね?』
「そうそう、鈴木見ろよアイツ」
『え?………わ、大きいですね!』
「2m」
『に、にめ、2m!?』
「デカいよな〜」
壁に寄りかかりながらゼリー飲料をヂューッと吸う飛雄が目に入る。
『なんかすごい調子良さそうだったじゃん』
「わかるか?」
『うん、いつにも増して楽しそうだった!…これ、多分次は角川だね』
「ああ、だろうな」
『2m、翻弄しちゃってくださいよ影山くん!』
「おう」
角川の勝利を見届け、次の相手が正式に決定したところで私たちは一度荷物置き場に戻ってきた。次の試合まではあと1時間ほど。
その間みんなには、前回同様レモンのはちみつ漬けを口にしてもらう。口もさっぱりするし、疲労回復にも打って付けだ。
「これ食べると大会って感じがするぜ!」
「わかるぜ〜!」
「…まだ2回目ですけどね」
「「うるせえ!」」
『私、大会の度に作ります!なので、今年もまだまだ作らせてくださいね』
私がそう言うと、みんなの視線がこちらに向いた。そして、澤村先輩が私の背中をポンッと叩く。
「当たり前だろ」
ニカッと笑った澤村先輩がタッパーに手を伸ばすと、他のみんなも頼もしい笑顔でレモンを摘んだ。
「…よし、そろそろ行くか」
「「「オッス!!」」」