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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第23章 止まり木


その後、私たちは全員でバーベキューの片付けをして帰る身支度を整えた。


一足先に荷物をバスへ運んでいると、顔面蒼白で目の前に現れた日向くんから他校生に私と飛雄が幼なじみであることがバレてしまったと深く頭を下げられた。日頃の学校生活で直接関わるわけではないし、とりわけ気にならなかったので私は『かえって気を遣わせてごめんね』と謝った。



全体の解散が済み、出発までの時間それぞれ談笑していた。



「てか鈴木さん、バレーやってる幼なじみがいるってビンゴだったんだな」

『あはは…内心びっくりしましたよ、隣のグリルで影山くんも噎せてるし』

「あー、アレそういうことだったの」

『はい、特別気管支が弱い訳ではないです』

「ハハッ、そりゃよかった…鈴木さんはさ、」

『はい?』



「影山のことは、ただの幼なじみって感じ?」

『え?…そう、ですね?』

「おいちょっと!なんではてなマーク!?」

『すみません、幼なじみは幼なじみなので…質問の意味がよく分からなくて』


「あーならいいんだけど、あんまり幼なじみクンと仲良くしてると恋のタイミング逃しちゃうんでない?」

『恋のタイミング、ですか?』

「そー、だって誰かがどっちかを好きになっても2人の間には割り込めないな〜って諦めちゃうでしょ?」

『えぇ〜!いやいや、そんなことないですよ!それに学校ではずっと他人のフリをしてますし…』


「出会いが学校だけとは限んないでしょーよ!」

『え?…学校以外にもありますかね?』



「あー完全にミャクナシね」


『黒尾さん?』

「なんでもないですぅーっ…じゃあ仕方ねえな、俺の想いはツッキーに託します」

「…ちょっとそういうのやめてもらえますか」

「なんでよ、応援してやるっつってんのに」



『え、なになに?ツッキーなんかやるの?』





「……ご覧の有り様ですけどね」


ツッキーは冷ややかに私を見てそう言った。



「ダハハハッ!ウケる!」

『え?』





「…あっちはようやく誤解を解いてるんですかね?」

「あー…そーね」


ツッキーの目線の先を見ると、飛雄と赤葦さんが2人で話していた。



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