第23章 止まり木
菅原 side
「あれ、影山は?」
日向の声に辺りを見回すと、たしかに影山の姿はどこにも見えなかった。
「便所かな?」
「でももうしばらく見てないぞ」
「てか鈴木もいなくないスか?」
「あぁ、たしかに」
「影山と鈴木ならさっき水道のところにいましたよ」
タオルで手を拭く縁下は、水道のある角を見ながらそう言った。
「水道?何してんだあいつら」
「ハハッ、水遊びか!?」
「反対側の水道を使ったのでよく分からないですけど、なんかしゃがんで話してましたよ」
「てか、あれさ…」
旭が指さした先には、その角の向こうを覗き見ている集団が。音駒の黒尾や夜久くんに、梟谷の木兎やセッター…とその他多数?
「あれ…影山と鈴木見てんのかな?」
「そうっぽい」
「なんも知らない他校のヤツからしたら、やっぱ2人はそう見えるんスかね」
「俺らも行ってみんべ」