第23章 止まり木
「ゲエッホ、ゲッホ」
「影山!?死ぬな影山っ!」
騒がしくなった隣のグリルを見ると、飲み物で噎せたらしい飛雄が日向くんに背中を叩かれていた。
……飛雄、聞いてたのか。
「幼なじみがきっかけなんて、お前らみたいなのがそう何組もいるかよ」
「あーそりゃそうか」
『え?…ってことは黒尾さん、もしかして幼なじみの方もバレーされてるんですか?』
「そーなのよ、誰だと思う?」
『そう聞くということは私も知ってる方なんですよね…どなたですか?』
「正解は、音駒の脳です」
『孤爪さんですか!?』
「そーそー」
『わぁ、そうだったんですね!』
「黒尾が元々バレーやってて研磨を誘ったんだったよな?」
「ああ、小学生の時な。引っ越してきたら研磨と家が隣でさ」
『お隣さん…!』
うちと似たような環境の人もいるんだな…お隣さんと同じ家とで色々違うとは思うけど。
「ははっ!今鈴木さん漫画みたいって思ったろ、あるんだよ実際にこういうの」
「ぶフッ!」
夜久さんが笑うと、今度は菅原先輩がお茶を吹き出した。
「スガくん!?」
「ウェッホゲホ、ヴェッ」
「なに、烏野気管支弱いの?」
「おーい、肉まだ食う人ー」
「「ハイッ!」」
そこから日向くんとリエーフくんがお肉の争奪戦を始めて、上手いこと話が逸れた。
私と菅原先輩はホッと胸を撫で下ろした。