• テキストサイズ

【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第23章 止まり木


影山 side

…いい感じだ。

最初のトスを上げた時にそう思った。指の先の感覚がいつもより鮮明で、ボールが手に吸い付く感じがする。


「………」


月島に上げようと考えていたトスを、ギリギリでツーに切り替えてみた。


トンッ…


やっぱりいい感じだ。



「ナイス影山!」






朝食った物が腹に無くなった感じがする。

でもまだ腹は空かない。



指先だけじゃなくて身体もいつもよりよく動くし、周りの動きもよく見える。自分の調子の良いことが、自分でわかる。

他の人もそうだ、バーベキュー効果か?


日向の調子も良い。
無駄な動きもミスも少ない。




今なら新しい速攻が使えるかもしれない。




「ノヤっさん、ナイスレシーブ!」

「綺麗にセッターに返るぞ!」



「!」



──日向の助走が早い、まさかやる気か?





…でも、今ミスをすればチームの良い空気を崩すかもしれない。新しい速攻はもっと成功率をあげてからに……








「やんねーの?」






そう聞こえた気がして、日向を見ると目が合った。










──「チビちゃんの欲しいトスに100%応えているか、応える努力をしたのか」













──『信じてね』












「……………」














俺は、日向に新しいトスを上げた。





/ 642ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp