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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第23章 止まり木


練習後、いつものように自主練の時間となった。

あの騒動の後、飛雄の様子が少し変わっていたからきっと何か見えたものがあったのかもしれない…自主練が楽しみだな。


「なあ、鈴木さん!」

『はい?』


振り返ると、木兎さん黒尾さん赤葦さんの3人が立っていた。


「このあと俺たちと月島くんで練習すんだけどさ、一緒に来ない!?」

『え、ツッキー…ですか?』

「そう、昨日から本格的に一緒にね」

『へえ!すごい』

「ツッキーが鈴木さんはスパイクも打てるって言うから、それ見てみてーなって」



『あー…えっと、』



今日はどうしても飛雄の自主練を見ていたいんだよな…。私が断る為の言葉を探していると、後ろから急に右腕を掴まれた。






「スンマセン、行かせらんないっス」





『影山くん…?』





「わーお、マジか」

「ヒューやるなあ、セッターくん!」

「……」



飛雄、いつもは私よりも人前での距離感を気にするのに今日はどうしたんだろう。ていうか、これ勘違いさせてしまったんじゃ…。




『あっ…あの』


「影山、さっきは俺の自由だって言ったくせに…そのチャンスを奪うんだ?」




「……そうなりますね」



…自由?チャンス?
赤葦さんは何の話をしているのだろう。

腕を掴んだままの飛雄を見上げると、その目は真っ直ぐ赤葦さんに向けられていた。そして、私と目が合った赤葦さんは試合の時のように微笑んだ。





「…だそうです。行きますよ、2人とも」


「えっ、おい赤葦?」

「ちょ、あかーし待って!」




体育館を去っていく3人を横目に、私は飛雄に向き直った。


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