第23章 止まり木
菅原 side
「あ、おかえり」
『すみません、食事の途中に立ってしまって…』
「気にしなくていいよ」
「律儀だなぁ」
「…で、なんだったの?」
何の話かはもちろん分かってるけど、つい聞いちゃうのは仕方ないよな。
『あー…えっと』
気まずそうに視線を泳がせた鈴木。隣に座る大地に、可哀想だろと肘でつつかれて俺は笑って舌を出した。
『まあ端的に言うと…好きだと言われたのでごめんなさいと応えました』
「ブハッ!超端的!」
『体育は一緒なんですけど、ほとんど話したこともないしよく知らない人なので…』
「こういうのよくあるの?」
『いえ、全然』
「よく言うよ、この前も呼び出されてたじゃん」
「ていうか最近多くない?なんでだろ」
「知らない、夏休み前だからじゃない?」
「クッソ!長期休暇前だからって浮かれやがってチクショー!」
「俺たちだって忙しいんだぞ!」
「そうだそうだ!」
「鈴木が告られたからってお前らには関係ないだろ」
「「「関係あります!」」」
声を揃えて叫んだ田中西谷日向に鈴木がお腹を抱えて笑い出した。