第23章 止まり木
夏休みまでの期間、授業は半日しかない。明日を終業式に控えた今日も4限までで授業が終わった。
バレー部のメンバーは特に示し合わせたわけでもなく、各自お弁当を持って体育館へ集まっていた。なんとなく輪になって、色々な話をしながら昼食を食べる。そんな日々だった。
最初こそ、飛雄のお弁当=私の作ったお弁当ということで田中先輩や西谷先輩がおかずを奪おうとしていたけれど、とにかく空腹の飛雄はそれを死守していた。私としては非常にありがたいことだったので、次の日からは少し多めに作って皆さんにもお裾分けするようになった。
そして今日も、いつものように体育館で昼食を食べている。
普段学校では紙パックのジュースを飲んでいる私だが、ここ最近は時々ペットボトル飲料を飲んでいた。それは飛雄も同じだった。その理由は、トス練習の目標に置くペットボトルが日に日に増えているから。昨日も帰りに「明日また2本増やす」と宣言され、さっき自販機で買ってきたであろう冷たいスポーツドリンクを飛雄から1本手渡された。今日の2本でペットボトルは合計8本になる。それだけ飛雄のトスの精度が上がってきているということだ。
「美里ちゃん、今日増やす日?」
『うん、そうみたい』
「すごいね!」
仁花ちゃんと話していると、突然体育館の入口から名前を呼ばれた。