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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第22章 初めての東京遠征


途中トイレ休憩を挟みながら、予定通り20時頃に烏野高校へと到着した。武田先生の顔には疲れが滲み出ていた。


「ハイ!みなさんお疲れ様でした!」

「「「した!」」」


「…で、明日はお伝えしていた通り体育館に点検作業が入るので部活はお休みです。まあIH予選以降、テストもありましたしなかなか休めてなかったと思うのでゆっくり休んでください。じゃあ気を付けて帰ってくださいね」

「「「ありがとうございました!」」」




仁花ちゃんが制服に着替えると言うので、一緒に部室へ向かった。カバンから制服を取り出すと、私のはしわくちゃになってしまっていたのでこのまま帰ることにした。

『仁花ちゃん偉いね』

「私出発の日に置いていってたし、家帰る時にジャージなのがまだ少しだけ照れくさくて…」

『そっかあ』


すると仁花ちゃんは少しトーンを落として私の名前を呼んだ。


「その…日向と影山くんのことなんだけど」

『あぁ、うん』

「ギクシャクしてるの大丈夫かな…って」

『うーん…どうなんだろうね』

「きっと影山くん、日向があんなこと言い出して怒ってるよね?」

『それはないんじゃないかなぁ?元々無愛想なほうだし考え込んでる時は余計にそう見えるのかもしれないけど、話の分からない人じゃないから』



私がそう言うと仁花ちゃんはクスッと笑った。

『仁花ちゃん?』


「当たり前だけど、美里ちゃんは私たちの知らない影山くんをたくさん知ってるんだなぁと思って」

『ふふ、長い付き合いだからね』

「美里ちゃんから見て、影山くんってどんな人?」







『そうだな…優しい人だよ、すごく』






「………っ!」


すると仁花ちゃんは真っ赤になって顔を手で覆った。


『どうしたの、仁花ちゃん!』



「今の……影山くんに見せてあげたかった…!」



『影山くんに!?』




着替え終わった仁花ちゃんと部室を出ると、何故か体育館の電気が点いていた。不思議に思った私たちはそのまま体育館の入口へと向かった。



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