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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第22章 初めての東京遠征


「これは私のやり方だから、芝山くんに合った方法に変えていってね」

「うん!鈴木さん、本当にありがとう」

『いえいえ、私もたくさん話せて楽しかった!ありがとう』

「そっ…そんな」



「あーっ!芝山が仲良くなってる!ずるい!」

『あ、灰羽くん…!』

「リエーフでいいよ!」

『じゃあリエーフくん!…大きいなぁ!』

「だろ?鈴木さんは小さいな!」

『うっ…』

「なんで嫌そうなの?可愛いじゃん」

『…まだ諦めてない、身長』

「そうなの?」

『あと…ほんの30cmくらいは』

「えぇっ!?」



「それでも俺よりは小さいから全然オッケーよ」


『あっ黒尾さん、お疲れ様でした!』

「おう!芝山…技は盗んだか?」

「たくさん勉強しました!」


「ん、エライエライ…って鈴木さんどした?」

「なんかソワソワしてる?」




『………』


私はいてもたってもいられなくなって、ベンチにスコアシートを置いてコートを1周するみんなを見た。そして、近くにやってきたみんなの真似をするように、床に飛び込んだ。






『グェッ』




体の前面を床に強打して動けなくなった。


「鈴木!?」

「ダッハッハッ!お前なにやってんだよ!」

「真面目な顔でそういうのやめろよ!笑っちゃうだろ」

「カエルが潰れたみたいな音した!」

「…はあっ、はァ…ほんとバカじゃない!?疲れてんだから笑わせないで…っ!」





「嘘でしょ…鈴木さん今フライングしたの?」


『アレ…カッコイイなと思って…でも見た目以上に難し、です』


ゆっくりと起き上がる私。
…とてつもなく体が痛い。


「アッハハハッ!鈴木さん、初対面の時もそうだったけどやっぱり変わってるな!いい意味で見た目を裏切ってくる!」

「夜久さんがツボってる」

「だってさ…!急にソワソワし始めたと思ったら、床にダイブって…やっべえ!」


『つ、次までには上手くなります…いでで』

「はは!楽しみだわ」




「集合!」



『じゃ…じゃあ、ありがとうございました』




私は胸をさすりながら、ぺこりとお辞儀をして烏野メンバーの元へ向かった。



ベンチに着くと涙を流しながら爆笑する菅原先輩に背中をバシンバシンと叩かれた。

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