第22章 初めての東京遠征
『日向くん!』
私たちは日向くんに駆け寄った。
「だだだ、ちょちょちょ…っ!」
「すっ、すみませんん!!…ついボールだけ見てて、すみません!大丈夫ですか!?」
「俺は無傷だよ…」
「ちゃんと周り見ろボゲェエエ!何のための声掛けだタコォオ!!」
「ボゲェ!日向ボゲェエ!」
『日向くん触るね』
「ふぁっ!?」
『痛くない?』
脚と腕、そして手に触れて確かめる。
「っ!い、たくない…けど心臓がいたい」
『心臓!?胸打った!?』
「ひゃっ!?」
「鈴木、それ以上触ったら日向が死ぬ」
『えっ!?』
その後、念の為旭先輩のケガの確認もしたけど本当に無傷のようで一安心だった。ただ、日向くんの一言でその場の空気がさらにガラリと変わった。
「なぁ影山」
「あ?」
「ぎゅんの方の速攻、おれ目え瞑んのやめる」