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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第22章 初めての東京遠征


私は試合を見ながら、隣の芝山くんに自分なりのメモの取り方を話していた。


『今の夜久さんのレシーブだけど、多分他のチームなら諦めてたボールじゃないかなと思うんだ…だから本来3ラリーで切れてたところが今5ラリーまで続いてる』

「うん」

『さっきのところで切るためには、手前へのフェイントか爆発的なブロックアウトが理想だったかも…っていう反省が出来るのね?それをこの辺に書き留めておくの』

「ああ…すごい、こんな風にリアルタイムで反省しながら試合見たことなかった」

『でも、もちろんこれはあくまでも私個人の今の意見で、あとでみんなに共有した時にあの時はここにレシーバーがいたからそこには打てなかったとか、そっちにトス上げたかったけど助走が足りてなさそうで無理だったとか選手目線の意見も加わって、着地点が結構変わってくるんだよね』

「試合の展開、選手みんな覚えてるの!?」

『ううん、セッターの影山くんは覚えてることが多いけどみんながそうなわけじゃないよ。でもこうして意見を出し合って反省会をするようになってから、それぞれのプレーに対する責任感が生まれたみたいで、覚えてるプレーが増えたって言ってたよ』

「そっか…プレーに対する責任感」

『うん、意識するのとしないのとじゃ全然違うみたい』



「ハッハッハ…芝山、勉強になるなぁ」

「はっ、はい!ものすごく」

「良きことだな」








ピッ





『……あ、』



その時、灰羽くんが日向くんのスパイクをドシャットした。


「すごい、リエーフ!」

『…すごいね、止められちゃった』




「烏野の攻撃の流れをどう予想する?」


猫又監督の質問に、私は飛雄を見ながら答えた。


『はい、きっと影山くんなら日向くんとの速攻に普通の速攻を増やしてくると思います。早い速攻に慣れてきたばかりの灰羽くんの感覚を揺さぶる為に』


「うん実に結構、優れた感性だ」

『恐縮です…!』










しばらく続いた点の取り合い。




その中である事件が起こった。






『あっ、危ない!』





そう、旭先輩に上がったトスを日向くんも追って2人が衝突したのだ。




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