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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第22章 初めての東京遠征


影山 side

「ひぇ〜、烏野マネやべえ」
「頑張ってくださいって飯渡されたよ」
「連絡先渡そうかな」

朝飯の列に並んでいるとそんな声が聞こえてきた。


「ウォッホン!!」
「ンンン゙!!」


「「ヒィッ…!」」



「…ああいうの恥ずかしいんだけど」

「アハハ…田中さんと西谷さん、マネは俺たちが守るって昨日意気込んでたからね」

「大会思い出した…また鈴木さんが盗まれそう」

「そういえば音駒が宮城に来たとき、あっちの主将が鈴木を東京に連れて帰りたいって話してたらしいよ!」

「なぬっ!?既に危なかったのか…!!」

「もう首輪つけておいた方がいいかもね」

「く、首輪!?月島にそういう趣味が…」

「は?キミが盗まれるとか言うからじゃん」




『あっ!みんなおはよー!』


食堂のカウンターから身を乗り出した美里は俺たちに手を振った。


「鈴木さん、おはよ!」

『ツッキーと山口くんはご飯普通ね?』

「うん」


美里は炊飯器から白米を茶碗によそってトレーに載せた。


『はーい、お待たせ!今日も頑張ろうね!』

「ありがとー!」

「ありがとう」


3人がトレーを持って歩き始めたのを見て、美里は俺のトレーにぐんぐんヨーグルを置いた。


「…これ、」


周りをキョロキョロと見回して人差し指を立てて口に当てた美里。そして“おれい”と口を動かしてからポケットを指さした。俺はジャージのポケットにそれをしまう。


「ありがとう」

『んーん、今日も頑張ろうね!』


お礼なら昨日の夜に手のマッサージをしてもらったはずだ。でも、きっと美里のことだからあれは自分の練習だったとでも言うのだろう。



「おせーよ、影山!」

「…もう食ってんじゃねえか」

「だって腹減ったんだもんよ」

「何かあったの?」

「なんも」

「なんだ、てっきり王様もマネを守る会に入ったのかと思った」

「んなもん入るわけねえだろ……いただきます」



俺は箸を持って手を合わせた。



少しすると近くに見覚えのない他校生が座った。



「いやー…あの子やばい、可愛すぎる」
「宮城帰んないでほしいわ」




「「「…は?」」」


「ちょっ、3人とも顔こえーよぉ!」

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