第22章 初めての東京遠征
「次審判入るか?対森然で多分ウチのラストゲーム」
『はい!やらせてください』
「おう、じゃあ伝えとく。てかお前、早速梟谷のエースに捕まってたな」
『はい、テーピングを頼まれまして』
「まじかすげえな!あれは全国で5本の指に入るスパイカーだぞ」
『!そっか…どうりで手の感じが違うと思った』
「手?」
『はい、指が太くて力強くて手のひらも厚みがあって…ポジションも違うので当たり前ですが、影山くんの繊細な指とは正反対に感じました』
「そうか、木兎はとにかく力に全振りのパワー型スパイカーだ、ドンピシャな正確さを追求する影山の手とはきっと違うんだろうな」
『そう言われてみたら納得です』
「鈴木、色んな選手の要望に応えて処置するのはお前にとってもいい練習になるはずだ、力になるモン何でも吸収してこい」
『はい!ありがとうございます』
「おし、じゃーラストゲーム行くぞ」
私たちは話しながら烏野ベンチにやってきた。
「鈴木さーん!ついに試合だーっ!」
『そうだね!応援してるよ、頑張って!』
「ありがとう!鈴木さんは審判?」
『うん、審判!』
「俺も応援してる!」
『ありがとう!』
「審判の応援ってなにすんだよ?」
「なっ!いいだろ別に!」
『影山くんも頑張ってね』
「ああ」
「ああってなんだよ影山、もっとなんかねえのかよ」
「もっとなんか?」
「はあ…ほんっと影山は影山だよな」
「は?」
『ふふふ』
私は森然高校への挨拶の為にベンチへ向かった。