第4章 “頂の景色”
演台について、お辞儀をする。
みんなこちらを見てくれていた。
ここからは、全て見えてしまうな…
まだ全員と話せていないけどクラスのみんな。
驚きに口を開けて言葉を失っている両親たち。
声を上げて少し恥ずかしそうな飛雄。
驚かせたかったからサプライズにしたけど、声なんて出しちゃだめでしょ?…またお互いに3年間“他人のフリ”が始まるんだから。
ポケットから白い封筒を取り出す。
暗唱できるくらいには練習をしてきたけど、もしもの時にこれがなかったらきっと焦っていたと思う。
飛雄が触れた封筒。
そう思うだけで、一番近くで守ってくれてるみたいでとても心強い。
…いつも助けてくれてありがとね、飛雄。
私は息を吸った。