• テキストサイズ

【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第22章 初めての東京遠征


すごい、髪の毛が重力に逆らってる…西谷先輩みたい。みんな背も高いし、体つきがガッシリしてるなあ。これが東京の強豪校か。

チラッと飛雄を見ると、その姿はいつもよりも小さく見えた。


「…んだよ?」

『いや影山くんが小さく見えるなと…』

「あぁ゙!?」

「ぶふっ…影山が小さいって」

「日向てめえ、俺が小せえってことはおめえはコビト以下だよ!」

「いだだだだ、頭はなせ!」

「ははっ、日向が被弾した!」


『わ、山口くん!それにツッキーも久しぶり!』

「キミ馬鹿なの?昨日会ったばかりでしょ」

「でも鈴木、俺なんとなく気持ちわかるよ!」

「ちょっと、こんなことで分かり合わないでよ…てか、梟谷の人すごい見てるけど」



確かに視線はずっと感じていた。黒尾さんにのしかかって、高いところからジーッと観察されているような不思議な視線を。


『……あ、あの?』


すると、鳥が狩りをするかのように突然私との距離が詰められた。間近でキラッと光った目に驚いて、私は咄嗟に飛雄の後ろに隠れる。


「なにしてんだ?」

『き……危機感』


前に飛雄に言われたから、危機感を持てって。





「あーあ、怖がらせちゃった」


「当たり前だろ、木兎……あー鈴木さん、こいつ梟谷主将の木兎ね」

『こ、こんにちは木兎さん』

「オッス!」


「んで木兎がさ、鈴木さんにテーピングして欲しいんだって」

『えっ、指痛めてるんですか!?』


「んーや、痛めてないよ?」

『よかった!予防ですか?』

「うんまあそんな感じ」


『?』



不思議に思いながら私はポケットからテーピングセットを取り出した。

/ 642ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp