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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第21章 影に隠した秘密


影山 side

「おーっと、ここ揺れる」

だいぶ速えスピードで走ってるこの車は少しの段差でも跳ねまくっていた。

ゴンゴンと音がして左隣の美里を見ると、窓側に体重を預けているせいで揺れる度に頭を窓に打ち付けていた。

ぶつけたところが痛むのか、寝ているくせに眉毛がキュッと寄っている。


「………」

見かねた俺は、腕を引いて自分の肩に美里の頭を乗せた。顔を覗き込んでみると、眉毛は元に戻っていた。



「へー…やるじゃん飛雄」

そう言われて目を向けると、ミラー越しに冴子姉さんと目が合った。日向もわざわざ体を向けて俺を見た。


「まじか羨ましい…!」

「見んじゃねえよ」


「そういやこの間、バレー部の連中で飛雄の家泊まったんだって?」

「ハイ」

「龍が突然外泊するっつーから、オンナのとこか!?って帰ってから根掘り葉掘り聞いちまってさ…飛雄と美里のことも聞いちゃったんだよね、ごめん先謝っとくわ」

「別に気にしないスけど」

「でもずっと隠してたんだろ?幼なじみってことも、一緒に住んでるってことも」

「そうスね、まぁでも俺は元々どっちでも良かったんで」



「そっかー…でもなんか良いなそういうの」

「?」

「美里は多分普通のJKとは違うと思うんだよな。この子学校とかでも有名っしょ?」

「鈴木さん超有名人です!」

「だろ?…そうすると必然的に変な男が湧くわけじゃん。好きでもない男に告られたり、付き纏われたり…だから美里が心から安心できる場所って少ないと思うんだよね」

「そうなんスか?」

「多分今もし美里の隣に別の男が座ってたら、美里はこんな風に無防備に寝たりなんか出来ない…だって何されるか分かんないわけだし。だけど、そんな顔で眠れてるのは安心できる飛雄の隣だからだろ?そういうの超良くない?」


肩に頭を預けながら、俺のシャツの袖を握る美里。




「…超いいっスね」



「だろ?」

「冴子姉さんすげえっ!」

「まっアタシだってこんなだけど一応女だからさ。なんとなくわかっちゃうわけよ!」


「一応?冴子姉さんめっちゃ女っスけどね」



「…飛雄、あんたモテるっしょ?」

「よくわかんないス」


「ぐぬ、影山め…!」

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