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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第21章 影に隠した秘密


「「『……っ、』」」


その女性を前に、私たち3人は同時に唾を飲み込んだ。


赤いズボンに黒のタンクトップ。
なんていうか…体つきがすごく、大人だ!



「た…田中さんのお姉さんですか?」


『えっ』


この女性、田中先輩のお姉さん…!?
たしかにキリッとした目元が似てる…!


「冴子姉さんと呼びな…東京までなんてあっという間に届けてやるよ」


バチコーンッと音がしそうなほど綺麗にウインクした冴子姉さんに私たちは前のめりでその名を叫んだ。



「「『冴子姉さん…ッ!!』」」



「うっひゃー、あんたホントすっげえ美人じゃん!龍の言ってた通りだわ!名前なんてーの?」


ズンッと距離を詰めて私の顔を覗き込んだ冴子姉さん。


『…鈴木です!』

「それは知ってる、下の名前!」

『美里です』

「おっけー、美里な!そんで翔陽に飛雄だろ?」

「「おおっ!」」

「アンタらの名前はすぐ吐いたのに、龍のヤツ美里の名前は恥ずかしがって教えてくんなかったのよ!…んじゃ、早速出発すっかね!」


「「お願いシあーす!」」
『お願いします!』



助手席には日向くん、後部座席には私と飛雄が座ってそれぞれシートベルトを締めた。



「おーし行くよ!」

「ハイッ!」



ドゥルルルンッ!



『「わっ!?」』



けたたましい音を上げて走り出した車は爆速で学校を出てカーブを曲がった。振られた私の体はガンガンと飛雄にぶつかる。


「いでっ」

『ごめっ…!』


ものすごい勢いで坂道を下る車。



『い…いろは坂ダウンヒル…!』


「おっ!美里、イニD知ってんの!?」

『はっ…はい!好きで…うわっ!』

「アタシも好き!影響受けまくりよ!」

『ものすごく伝わります!』


「飛ばすぜー!!やっふー!!!」



「ギィェエエエエエエ!!!」



これじゃ多分豆腐の水溢れまくりでは…!?そんなことを考えながら体に力を入れて堪えていると、やがて車は高速道路へと入っていった。

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