第21章 影に隠した秘密
影山 side
「どこにいんだよ教頭!」
「職員室か!?」
俺たちは廊下を走りながら教頭を探した。
「あ!影山あれ!」
「はっ!」
「「教頭〜先生〜ッ!」」
「いっ!?」
「「教頭先生!」」
ついに見つけた教頭に俺と日向が詰め寄った。
「なっ、何をするんだキミたち!」
「俺たち、春高行きたいんです!」
「お願いしゃーす!」
「“ファルコン” 行きたい?ん、キミたちはあの時のバレー部の生徒たちかね?…私になんの用かね?」
「俺たち、赤点取っちゃって追試が東京合宿の日と重なっちゃうんです」
「追試免除してください!」
「お願いします!」
「ん?うーん…キミたちねえ、部活が二の次とは言わないけどね、あくまで学業が第一」
「「うっ…」」
「補習を免除するなんて許可するわけないでしょ?」
「あっ、ズラ…すのは?」
「んっ?ズ……ズラ!?」
「ズラすだけでいいんです、次の週に!」
確かに、コイツにしちゃあ名案だ。
「そうだ…ズラすだけでいいのか!」
「ズラすのはどうですか!?」
「ズラすくらいならいいじゃないですか!」
「ズラズラうるさいんだよっ!」
「「っ!」」
「90点だ」
「「……はい?」」
「確か追試の合格点は80点だったよね、でもキミたちのみ90点とする。もちろん日程をズラ…変更することも認めないからそのつもりで」
『あっいた…ちょっと2人とも』
「教頭〜っ!」
「どういうことですかぁぁああ!?」
『ヒッ!?……な、何してんの!?』
俺の腕が誰かに掴まれたがそれどころじゃねえ。なんだ90点て、そんなん無理に決まってんじゃねえか!
「90点なんて生まれて1回も取ったことないんです!」
「俺なんて80点すら取ったことないんです!勘弁してください!」
『は、恥ずかしいこと叫ばないで!』
「お願いします!」
「こ、こら落ち着きなさい!」
『ちょっとやめなって!』
「あ゙!?鈴木さん今それどころじゃねえんだ離せ!」
「うおっ!おいお前ら何やってんだ!」
『澤村先輩!』
「さ、澤村くんこの子たちを何とかしないか…あっ!」
突然陽の光が何かに反射して眩しくなった。