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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第21章 影に隠した秘密


お姉ちゃんの部屋に入ると、ベッドの脇に布団が敷いてあった。


「美里ベッド使えよ」

『えっ?いいよ飛雄がベッド使って』


私の言葉を聞かずに飛雄はそそくさと布団の中に入ってしまった。


『ありがと、じゃあこっち使う』

「おう」



私はベッドの中に入って今日のことを思い返した。


『今日は色々あったね』

「そうだな」

『先に飛雄がみんなが来てることを教えてくれたら、私部屋に行かなかったのにな』

「急に来るって決まったしお前が何時に帰るか分からなかったから、返事が来たら言おうと思ってた」

『あーそういうことか、ごめん…審判講習会が思ったよりも充実しててスマホ見るの忘れちゃってて』

「良い事じゃねえか」

『うん、また来月行くことにしたの!』

「そうか」



私はもぞもぞと動いてベッドの下の飛雄を見た。


『ねえ…飛雄はさ、みんなに話してよかったと思う?』

「よく分かんねえ、でもまあ良かったんじゃねえの?」

『そうだね、びっくりさせちゃったとは思うけど、みんな受け入れてくれて嬉しかった』




「…みんなかどうかは分かんねえけどな」


ポツリと呟かれた飛雄の言葉にハテナが浮かぶ。


『え?どういう意味?』

「いやなんでもねぇ」

『うん…?』




「そんなことより、お前が自分の家でもひとりで眠れねえ臆病なヤツだってバレなくて良かったな」

『あーもう!せっかく断ってくれてありがとうって言おうと思ってたのに言う気失せた』

「思ってたなら言えよ、聞いてやるから」

『上から目線…!』



飛雄は意地悪そうな笑みを浮かべてから目を瞑った。


「寝る」

『私も寝る』


「お前明日何時に起きる?」

『んー…朝ごはん作らなきゃだから5時かな』

「じゃあ4時半な」

『じゃあの意味がわからない、なんで私の睡眠時間30分も短縮されたの?』

「トス上げて欲しい」



パッと開いた目が小さな子供みたいで、ついわかったと返事をしてしまった。




『おやすみ、飛雄』

「ん、おやすみ」




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