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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第21章 影に隠した秘密


あのあと数人ずつ鈴木家と影山家のお風呂に入って、待っている間は庭で簡単にバレーをしながら過ごした。合宿みてえ!と楽しそうに笑った日向くんはこの数日の勉強のストレスを発散させているように感じた。

全員がお風呂に入り終わって、私たちの部屋に集まった。


「今日は本当にありがとな」

『いえいえ!こちらこそです』

「日向も助かったな!」

『え?』

「実は俺、自転車学校に置きっぱでさ…バスも最終過ぎてたしヤバかったんだよね」

『そうだったんだ、じゃあ良かった!』

「鈴木さんありがとう!」

「俺にも言えよ」

「あ……りがとう」

「は?聞こえねえよ」

「ありがとうございましたッ!」

「へっ」

「なんっかムカつく!」



「…てか、こんなにたくさんの布団よく家にあったよね」

『最近はあまりないけど、昔はよく親戚が集まったりしてたんだ。あ、ちゃんと定期的に干してるから心配しないで!』

「いや、それは別に心配してないけど」


「やべっ!もう12時になるじゃん」

「そろそろ寝るか」


『そうだ、布団だけだと数人足りないのでこのベッドと兄の部屋のベッドも使ってくださいね。兄の部屋は私の方のドアから出てすぐ隣です』


「「鈴木のベッド!?」」

『え?はい』


「安心してくれ、田中と西谷には使わせないから」

『そんな、別に』

「いや…たしかに鈴木の匂いのするベッドで眠れる気がしないので大地さんの選択は正しいです」

「その通りだぜ…」

『シュッシュしてるので臭くないですよ!?』


「ところで影山たちはどこで寝るんだ?」

「俺たちは姉貴の部屋で」



「「「同じ部屋!?」」」


「?…ハイ、いつも通りスけど」


「あっ…そっか、いつもこれか」

「なんだよチクショウまだビビっちまうぜ」



「そしたら俺たち詰めて寝るから、兄ちゃん姉ちゃんの部屋を2人で使うほうがよくない?」

「たしかに」



『あっ……いや、えっと』


私が指を合わせて俯くと飛雄がチラッとこちらを見た。



「いや大丈夫ス、じゃあおやすみなさい」



飛雄は頭を下げて部屋を出ていったので、私も挨拶をしてあとを追いかけた。


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