第21章 影に隠した秘密
「ねえ、両方のお風呂沸かしてきたけどみんなお風呂は順番に入るの?」
『お風呂?』
「なんで風呂?」
「えっ、みんな泊まっていくんじゃなかったの!?」
「いや、あの…帰るつもりでした」
「やだ!早とちりしちゃった…もう9時回ってたから」
「「「えっ!?」」」
「やべえ…俺たち超長居してる…」
「申し訳ないです」
「いや、うちは全然構わないけど親御さんが心配してるんじゃないか?」
「ありがとうございます、みんな夕飯の件で家には連絡入れているのでそこは大丈夫です」
「そうか、それならよかった」
『そういえばママ、さっき上でバタバタしてなかった?』
「あの…えっとね?みんな泊まっていくもんだと思って、実はありったけのお布団を出してきちゃったの…」
恥ずかしそうに小さくなるママを見て大笑いするパパ。それを見た飛雄は大きなため息をついた。
『…ということだそうなので、もしみなさんのお家が大丈夫だったら今晩泊まっていきませんか?』
「えっ!?」
「いいんスか!?」
「うん、せっかく出しちゃったし…むしろお布団使ってもらえると私は嬉しいわ」
「じゃ、じゃあ…」
「…お言葉に甘えて」
「どうぞどうぞ!」
「改めて、よろしくお願いします!」
「「「シアーッス」」」
「おう、ゆっくりしてけよ」
「あっ!そういえば、みんなが来てるって聞いたからデザート買ってきたのよ!飛雄美里配って?」
『わかった!』
「ん」
飛雄はカレーのお皿をまとめて流しに持っていった。
「影山、それ俺たちが洗うから!」
「いや、大丈夫ス」
「さすがに世話になりっぱなしで悪いからさ!」
「いいのよ〜、みんなはお客さんなんだから!」
『そうですよ!ここのケーキ美味しいので、召し上がってください』
私はみんなの前にケーキを置いて、飛雄がいる台所へと向かった。