第21章 影に隠した秘密
「わ、そうだったんスね!」
「たしかに影山似てるわ…!」
「モテ山の遺伝子恐るべし…」
「やめてください、てかモテ山ってなんスか」
「でも鈴木、パパとママって呼んでたよな?」
『この家にはお父さんとお母さんが2人ずついるので、どっちを呼んでるのかが分かるように分けてるんです』
「あー、たしかに!」
「じゃあ影山もパパママ呼び?」
「んなわけねえだろ、呼ばされてんのはこいつだけだ」
「呼ばされてる?」
「娘にはパパって呼ばれてみたいもんなのさ…なのに美羽は呼んでくれなかったからよ」
「……ミワ?」
「俺の姉貴」
「影山、姉ちゃんいたの!?」
『私のお兄ちゃんと同じで今東京にいるんだ!それで今日は私のお父さんとお母さんが2人に会いに東京に行ってていないの』
「なるほどそういうことか」
「おい飛雄〜似てるってよ、俺たち」
「…そりゃ親子だからな」
『最近飛雄とパパの表情すごく似てるよ!私この前びっくりしたもん!』
「………」
『…なに飛雄?』
「“鈴木さん”、名前」
『あ゙っ……かげ、やまくん…』
私は顔を覆って下を向いた。
「?…なにやってんだ美里」
するとママがパタパタとリビングに戻ってきた。