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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第21章 影に隠した秘密


月島 side


「………」


は?いや、えっと…
…はぁあ!?



もう驚くことはないとか言ったけど完全に前言撤回。


『え!?驚かないって言ったのに!』


「これに驚かないは全人類無理だろ」

「色んな意味でな」


「…キミの家からくり屋敷なわけ?」



とか、そんなことはどうでもよくて…





「これ、普段はどうなってるのが正解?」



さすが縁下さん。
僕も全く同じことを考えてた。


だってこの部屋、
家具の配置がおかしすぎる。




特にベッド。





「壁のことスか?」

「あ、うん」


『こっちの開いてるのがいつも通りです、というかそもそも最後に動かしたのはいつだったっけ…幼稚園?』

「覚えてねえ」

『すごいね、これまだ動くんだ』



これがいつも通り?

幼稚園の頃から、間に壁もなく綺麗に並んだこのベッドがいつも通り?



「いつもここで寝てんの?」

「ハイ」

「2人で?」

「?ハイ」

「並んで?」

「……まぁ、ハイ」

「だからまぁってなんだよまぁって!」



「影山…お前のその鋼の精神力はこれによって鍛えられてんのか?」

「どういうことですか?」

「非常に羨ましいという気持ちと同時に、俺はお前にめちゃくちゃ同情もしている」

「ああ、毎晩鈴木とただ並んで寝るなんて天国なのか地獄なのかわかんねえからな…」


『じ、地獄ってなんですか!私は影山くんみたいに寝相悪くないんですけど!』

「俺は寝相悪くねえだろ」

『悪いよ!昨日だって私の上に足乗っけてきたじゃん!』

「乗っけてねえ!」

『は?たまに顔に手が落ちてくることもあるんだからね!あれすごくびっくりするんだから!』

「は?お前だって寒いとこっち寄ってくんじゃねえか!あれすげえ邪魔なんだかんな!」

『はあ!?もっとあるし!』

「はあ!?俺もあるけどな!」


「コラ!喧嘩やめろお前ら!」


「はは!大地、お兄ちゃんみたいだな」

「ついな…弟と妹の喧嘩がまさにこんな感じだわ」



2人の喧嘩を見てなんだか重かったはずの気持ちが少し楽になった。僕、変なの。


「…鈴木さんってもっと大人な感じだと思ってたのに、影山とはこんな喧嘩もすんだな」

「なにちょっと羨ましそうなわけ?」


「そんなんじゃねえし!」

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