第21章 影に隠した秘密
影山 side
パタパタと廊下から足音が聞こえてハッとする。
『お待たせしました!…って、何の話をしてたんですか?』
「なっ、なんでもありませェン!」
『田中先輩?』
「いや、なんか影山が気になる発言して固まったからさ」
『気になる発言?どうかした?』
俺を見上げる美里。
「………」
『影山くん?』
「…悪ィ」
『え、なにが?』
「あのさ、鈴木」
『はい?』
「鈴木っていつも影山の部屋にいんの?」
「さすが縁下…質問がド直球すぎるぜ!」
『あっ…』
「何その反応」
『はははは…』
「だから何なのその反応」
美里の目が言っている “ 忘れてた ”と。
そうだよな?そもそもこの部屋で話し始めたってことは、部屋のことも話すつもりだったんだよな?…で、忘れたんだな?
「おい、まだなんかあんの!?」
「お前ら隠し事多くないか!?」
「まあでも、もう何言われても驚かないよ俺…」
「たしかに僕も、一緒に住んでます以上に驚くことはないと思う」
「そうだぞ!この際話して楽になれ2人とも!」
「どんとこい超常現象だぜ!」
『あー…じゃあその言葉を信じますね?』
「なっなに、急にちょっと怖い!」
「俺はだいぶ怖いぞ!」
『あの…ここ私の部屋でもあるんですよね』
「「「えっ!?」」」
見事に全員驚いたじゃねえか。