第21章 影に隠した秘密

影山 side


「影山…なんかスマン」

「なにがスか？」

「いや、急にこの人数で飯ご馳走になるなんてさすがに迷惑だろ…」

「たしかに急にお邪魔して飯までなんて申し訳ないよな」


「別に大丈夫です、あいつもすげえ嬉しそうでしたし」




「…うわー、なんか」


「なんスか？」


「すげえ複雑なわけよ…俺らは」

「？」

「鈴木といえば烏野高校のアイドルなわけじゃん？」


「…はあ？」

「くそ、この複雑な思いが伝わんねえ！」



「つーかさ、影山は鈴木と暮らしてて何ともないの？」

「そうそれ！旭それだよ！」


「…なんとも、とは？」

「だからさ、こう…男としてさ！」

「ハイ？」

「なんていうかその…」


「ああもう俺言う！ムラッときたりしないのかってことだろ！？」

「そうそれ！」



「ムラッと？」

「すんのしないのどっち！？」

「いやすんだろ！！」

「どうなんだ影山！？」



「あの…」

「なんだ！」





「ムラッとってなんスか？」




「「「………」」」



「？」


「影山…それほんとに言ってる？」

「あ？なんだよ」

「おれでもわかったぞ！」

「…王様、性欲ないの？」

「はあ！？性欲！？それとなんの関係があんだよ」

「いやそれのことだから」



「じゃあ質問変えるけどさ、影山って1人でスる時場所どこ派？」


「スるって…」

「コレだよ！」


菅原さんの手つきにピンとくる。




「あー風呂っスね」



「風呂派かー！」

「わかる、風呂の安心感パネェ！」


「さすがの影山もこの行為は知ってたか、なんか安心したわ…」




「スポーツ選手はシた方が調子上がるって聞いたんで」



「は？…スポーツ選手？」

「誰に聞いたんだよ？」




「中学の時に及川さんに聞きました」



「…っ…おい、かわ！」

「あいつ、うちの後輩になに教えてんだよ！」

「影山もその後輩でしたからね…」



「てかなんで風呂？鈴木と同じ家っつったって自分の部屋もあるのに」


「ココはダメです、あいついるんで」


「いる？どういうこと？」




「いやだから同じ………あ、」





しまった、



慌てて顔を上げると、みんながジッと俺を見ていた。