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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第21章 影に隠した秘密







「まじかよ!なんだそれすげぇ!」

「本当に同じ住所だ!」

「こんなん初めて見た!!」

「超漫画の世界じゃん!!!」

「クッソ、影山めぇええっ!!!」





『えっ…?』





「おい影山!今まで俺たちが鈴木に騒いでた時、心の中で嘲笑ってたんだろ!」

「そうだぞ!この生意気山飛雄め!」

「べっ、別に笑ってないですしなんですかその生意気山飛雄って」

「うるせえこんにゃろー!鈴木とひとつ屋根の下羨ましい!!」

「羨ましいっ!」



田中先輩と西谷先輩が飛雄の首に腕を回してお腹をゲシゲシ叩いている。そしてそれを見てゲラゲラ笑うみんな。


『………』


その光景が信じられなくて今度は私がポカンと口を開けたまま固まってしまった。






「あーその、鈴木?」

『はい』


「隠してたのはきっとこれまでに色々あったからだよな」

『………』

「もう傷つきたくなかったっていう鈴木の言葉とか顔を見てたら、なんとなくそういうのが伝わってきた」


『澤村先輩…』


「正直言えば俺たち今すげえびっくりしてるし、こんなの俺たちにとっては非日常すぎてなんかずっと心臓バクバクしてるけど…鈴木と影山にはこれが日常なんだよな」

『……はい』

「隠してきたことを話すのは勇気が必要だったと思う…俺たちに話してくれてありがとう」


『こ…こちらこそありがとうございます…みなさんに話して本当に良かったです』


「おう…だからもう謝るな」

『!』


「お前たちは何も悪いことしてないだろ?だからもう謝るの禁止」


『っ…はい!』



「ただ…」

『?』


「俺は個人的に影山がすげえ羨ましいから、俺も田中たちに混ざる」

「ハハッ!俺もー」


「さ、澤村さん…菅原さんもやめっ…!」





飛雄に群がる先輩たちを見ていたら、ツッキーと目が合った。



「……」

『……あの、ツッキー』


「はあ…ちょっと展開が斜め上過ぎて、理解が全く追いつかないんですけど」

『ごめん…でも、私話せてスッキリした』

「1人でスッキリしないでよ」

『ごめんツッキー…』

「謝るの禁止って言われてたくせに」


『はは、そうだった』



私が笑うとツッキーもほんの少しだけ柔らかい表情になった。


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