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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第21章 影に隠した秘密


「「「………」」」



その場の空気が凍りついた。人間本当に驚いた時は声が出ないなんて言うけれど、それって本当だったんだななんて妙に冷静なことを考える自分に驚く。



目を見開いたまま固まってしまったみんな。





『今までずっと隠していて…本当にすみませんでした』




「…えっ、あ、いやその…」

「ちょっと待って、頭が追いついてこない」

「影山と鈴木が同じ家で暮らしてる…って?」

「まじで?…今までずっと?」

「ハイ」


「あっ…そういや隣の表札」


「「あぁっ!」」

「…表札の鈴木は単なる偶然じゃなくて、ガチでこの鈴木本人の家だったってこと!?」

「そっスね」

「そっスねじゃねえよ!偶然かぁっつって俺たち全員騙されたじゃねえかよ!」


「え?二世帯住宅って言ってたけど2人は親戚かなんかなの?」

『いえ、私たちに血縁関係は全くないです。私と影山くんの両親の仲がすごく良くて、それで2軒分の土地を買って1軒にしたって』

「仲がいいにもほどがねえか!?」



「うわーまじか…なんかごめん、俺まだちょっと信じらんない」

「俺もっス…」


「あ!たしか学生証に住所載ってたよな!?」

「おぉ、そうだ!お前ら学生証!」


「『あっ…はい』」


私と飛雄はそそくさと自分のカバンから生徒手帳を取り出した。そして最後のページの学生証部分を開く。




「「「………まじだ」」」





私たちが同じ住所記載であることを確認したみんなは口元に手をあてたり頭を抱えたり顔を覆ったり…反応は様々だった。



再び訪れた沈黙に胸が張り裂けそうになる。




やっぱり受け入れてもらえなかったのかもしれない…そりゃそうだよね、だってこんなの普通じゃないもん…。



私はみんなの顔を見るのが怖くて下を向いた。




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