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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第21章 影に隠した秘密


『飛雄今日何食べたいー?買い物行こー?』



トットッと階段を上り、半分くらいまで来たところで私は不思議に思った。






あれ?


いつもならこれくらいでドアを開けて迎えてくれるのに。






『ねえとびおー?いるんでしょー?』




徐々に2階の廊下が見えてきた。





最後の1段を上り終えてもなお開かないドア。




部屋までの廊下を歩きながら、私は最後の手段に飛雄の最も嫌がる呼び方を叫ぼうとした。





『と・び・おちゃ』







ガチャッ


『あ』


「………」


ようやく部屋を開けて出てきた飛雄は、なんだかめちゃめちゃ険しい表情をしてズンズンと一直線に私の元まで歩いてくる。


『なんだ飛雄やっぱいるんじゃ…って』


そして目の前までやってきたかと思うと、両肩をワシッと掴まれた。


『なになに!?まってまって、まだ私最後まで言ってなかったじゃんそんなに怒らないでよ!』



「やべえ」


『なにが?』


「すげえやべぇ」


『だからなにが!』



「今、部屋にな」




その深刻そうな飛雄の表情に私はピンッと思い付いた。



『…ヤツか』

「は」








『出たんだなGが!?』


「はっ!?」



『やだもうそんな時期!?地球温暖化のせい…ってか目離したらどっか行っちゃうじゃんバカ!私が殺してからじゃないと眠れないの知ってるくせに!』

「まっ待て、お前一旦落ち着け!」

『これが落ち着いていられるかってのよ!もう私探すからあんた下からスプレー持ってきて、去年の夏にウジエスーパーで買った凍らせて殺すやつ!早く!』




「ちょ、バカ!入るなって!」




部屋のノブに手を掛けた私を何故か羽交い締めにして止めてくる飛雄。





私はそれを無視してバァンッとドアを開けた。

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