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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第21章 影に隠した秘密


『私、烏野高校の男子バレーボール部でマネージャーをしていて、部員のサポートのためなら自分に出来ることは何でもやりたいと考えています。コーチが指導に集中出来るように独学で審判について学んできましたが、先日練習試合の主審を任せていただいて更に知識を深めたいと思いました。今日はどうぞよろしくお願いいたします』


「なるほど、志が高いね」
「部員たちもさぞ自慢のマネージャーだろう」
「烏野って、県立で過去に春高出た学校だよね?」

『はい、今年も春高出場を目指して部員一同頑張っています!…今はテスト週間で部活はお休みですが』

「ははは、あったなぁテスト週間」
「たしかに」


「練習試合とはいえ主審なんてすごいじゃないか、鈴木さん自身のバレー経験は?」

『私は本格的にバレーをしたことはありません、ただサポート程度にするくらいでしょうか』

「サポート?」

『はい、私の幼なじみが同じチームにいるのですが、その幼なじみのサポートでバレーを少しだけしてきました。私がマネージャーを始めたのも彼がきっかけです』

「そうか…そのきっかけが熱意と行動力を生んで、鈴木さんをここまで導いたんだね。キミみたいな幼なじみがいて彼はきっと幸せだろうな」


『いえ…幸せなのは私のほうです。彼がいなければ私はこうしてチームの一員になることも、その喜びも知ることは出来ませんでしたから』



そうだ。マネージャーにならなければ、バレー部の仲間としてみんなと戦うことの楽しさや苦しさ、そして誇らしさを知ることは出来なかった。あのみんなと涙も笑顔も敗北も勝利も、共に分かち合うことはきっと出来なかった。



私は飛雄に心から感謝していた。


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