第21章 影に隠した秘密
体育館へ入ると、みんな体をこちらに向けて私を見た。
『こんにちは、はじめまして!私、烏野高校1年の鈴木美里と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします』
「おぉ〜よろしく!しっかりしてるなぁ」
「偉いな」
「俺が更衣室から出てきたら入口のところで制服の女の子が中を覗いてたから驚いたけど、佐々塚さんの言ってた通りちゃんとした子だね」
佐々塚さんとは、協会から引き継がれて最終的に私とメールのやり取りをしてくれた人の名前だ。
『あの、佐々塚さんはどちらに?』
「ああ、挨拶が遅れた!俺が対応させてもらった佐々塚です、宜しくね。いやぁそれにしても鈴木さんからのメールは高校生とは思えないくらいに丁寧で且つ熱意に溢れててびっくりしたよ」
「佐々塚さんがこの会を見学させるなんてなかなかないからね」
『そうだったのですか…!それは大変光栄です、どうもありがとうございます』
「鈴木さん、俺はメールで色々経緯聞いてるけどみんなは詳しく知らないから説明してあげてくれる?」
私は頷いて、改めて一歩向き直った。