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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第21章 影に隠した秘密


影山 side

「影山、お前大王様と同じ中学だったんだろ?なんか持ってないの?」

「あー…及川さんのは北一の試合とサーブ動画くらいなら」




「「「まじか!?」」」




「え?……あ、ハイ」

当時誰かんちの親が撮った試合と及川さんのサーブ動画は、俺たち共用のノートパソコンに美里が入れていたはずだ。俺はほとんど触ったことがないから、今夜にでも学校で観る方法を美里に聞いておくか。


「それ超貴重じゃん!」

「そスかね?」

「めっちゃ貴重だろ!」

「及川中学ン時からサーブ化け物だったもんな」

「影山、俺それ超観てえ!」

「ノヤっさんに同じく!」


「わかりました、そしたら明日観れるように…」


「今日観てえ!」




「えっ」

「もう今日は勉強なんか頭に入んねえよ!」

「たしかにバレー脳になっちまった…」

「頼む影山!」

「俺もすげえ気になる!」

「影山様ぁーっ!!!」


「こらこら、影山を困らせるなよ」


今日は父さんたちも遅いって言ってたし、お父さんたちは東京に行くって言ってたな。つまり美里さえ鉢合わせないように事前に帰る時間を聞いておけば問題ねえか。

…それに正直俺も今日はもう勉強したくねぇ。



「別にいッスよ」


「え?無理しなくて良いんだぞ」

「今日親遅いし、家誰もいないんで」


「おっしゃー!影山んちでバレー研究会だー!」

「わーい!」


「でも王様、突然こんなに大人数で押し掛けたらさすがに迷惑じゃないの?」

「狭ぇけど入んだろ、多分」

「いやそういうことじゃなくて」

「まあまあツッキー、影山が良いって言ってるんだしさ」

「そうだけど」

「気になるじゃん、影山の私生活」

「………」



「じゃあ影山、悪いけどお邪魔させてもらうわ」

「ウス」




俺たちは部室を片付けて学校を出発した。



腹が減ったからという理由で、途中店に立ち寄り飲み物やら菓子やらを先輩たちが大量に買ってくれた。その時に、とりあえず美里に〈お前、何時に帰る?〉と連絡を入れておいた。


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