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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第21章 影に隠した秘密


夜11時。


「……美里まだ寝ねえの?」

『ん、もうちょっと』

「先寝る」

『わかった。机の電気つけるから、部屋の消していいよ』

「おう……おやすみ」

『うん、おやすみ』


ピッとリモコンの音がして部屋の明かりが消える。私は机についた小さな電気をつけた。



歴史の勉強をしていると、次から次へとどんどん興味が湧いてきて色々なことを知りたくなってしまう。知らなかったことを学んで自分の知識に変えていくのって本当に楽しい。



『へぇ…高句麗、馬韓…辰韓……この時、朝鮮半島にどんなことが起こってたのかって結局のところ解明されてないんだ…すごいなぁ、神秘だなぁ…』



ハッと気が付くと、あれから1時間も経っていてもう午前0時を回っていた。



勉強机から飛雄を見ると、スヤスヤとすっかり寝息を立てていた。暑かったのか掛け布団は足元にぐちゃっとしている。


私は机の電気を消してベッドへと向かった。




『…朝はまだ冷えるんだから、風邪ひくよ』


「………ん、ぅ」



返事をするようにむにゃむにゃ言う飛雄にふふっと笑って、足元の布団を静かに掛けてあげた。





──「やった、影山くんの寝顔ゲットー!」
──「まつ毛長いね」
──「いつもはカッコイイのに寝顔可愛い」





『……ほんとだ、まつ毛長い』



密度が高く濃いまつ毛は、瞬きの度にバサッと音がしそうなほどだった。





『ねえ飛雄……撮られてたよ?寝顔』


「………すぅ」




『いいの?』




別に自分にとっては見慣れた飛雄の寝顔。もちろんそれが珍しいものでもなければ特別なものでもない。でも、あの子たちにとっては特別でしかも写真に収めてまで手元に残したいものだった。





私はそれを不思議に感じつつ寝顔を見ながら布団に入って寝転んだ。






『…みんなカッコイイって、よかったね』







スッと目を閉じると直ぐに眠気に襲われた。
今日は歴史の夢を見そうだな、そんなことを考えながら眠りについた。


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