第21章 影に隠した秘密
「なっ…何笑ってんだよ」
『ううん、男の子の文字だなと思って』
ツッキーの答案とは全然違うな…
丸よりも多いチェックをピッピッとつけて、その横に正答を書き込む。惜しい部分は、次に気をつけるべきポイントも書いてみた。
あれ、これ100点満点だよね…
「ねえ、これ100点満点だよね?」
私の心の声と全く同じことを呟いたのはツッキーだった。
「キミ、26点って嘘でしょ?」
「だ、だってよぉ、激ムズだった!」
「あ、さすがツッキー86点!」
「山口何点?」
「俺72点」
「おおっ!」
「王様は?」
『あ、えっと……』
「は…24点?ちょっと王様真剣にやったの!?」
「………」
「影山?」
飛雄は私の答案を見つめたまま微動だにしない。
「鈴木は何点だった?」
『わかんない…影山くん、私の』
「意味わかんねえ…」
『え?』
ポツリと呟いて渡された答案、皆がそれを覗き込む。
「…満点」
「嘘、鈴木さん100点!?」
『…あ、うん』
「え、マジか鈴木!?」
飛雄は口から煙でも出てそうな顔で固まっていた。
テストの答案は武田先生が見たいとのことで全員分回収されていった。
現状の学力把握のためのテストだったと気付いて、主に4人の顔色が真っ青になった。
『ま…まぁまだ1週間あるし、ね?』
「満点の人に言われてもね」
『ツッキーそういうのやめて!』
私たちはまた各自勉強に戻った。